ぎっくり腰は病名ではなく、医学的には「急性腰痛症」と言われる腰部疾患の1つです。
ある日突然起こるイメージのあるぎっくり腰ですが、予兆がある場合もあります。
【ぎっくり腰をもたらす病気】
ぎっくり腰はさまざまな病気によってもたらされます。そこで代表的な病気をご紹介します。
◆椎関関節捻挫
腰の骨(腰椎)と骨は靱帯で繋がっていて、椎関関節を構成しています。
その関節に急激な負荷がかかることで捻挫を起こし、ぎっくり腰を発症することがあります。
◆靱帯損傷
椎関関節を構成する靱帯自体がダメージを受け、損傷することでぎっくり腰を発症することがあります。
「スプラング・バック」とも呼ばれます。
◆仙腸関節性腰痛
骨盤の中央にある仙腸関節の可動域が減少し、ダメージを吸収できなくなることでぎっくり腰を発症します。
【ぎっくり腰の原因】
ぎっくり腰の直接的な原因は、重いものを持ち上げたり、急な動作を行ったりすることだと言われていますが、その背景には次のような状態があると言われています。
◆筋肉の緊張
筋肉は線維の束で出来ており、ゴムのように伸び縮みする性質を持っています。
ところが、疲労の蓄積や冷えなどが原因で筋肉が硬くなると、古くなったゴムのように切れやすくなります。
このような状態のときに負荷のかかる動作などを行うことで、広範囲にわたって筋線維が断裂し「ぎっくり腰」が起こります。
◆柔軟性の低下
身体が硬くなると、衝撃を吸収する能力が低下するため、腰にかかる負担が増し、ぎっくり腰を発症するリスクが増します。
ぎっくり腰の再発を予防するため気をつけたいこと
ぎっくり腰を発症すると日常生活にも支障が出ますし、仕事も休まなければなりません。
なにより、激痛症状はとてもつらいものです。
そんなぎっくり腰を発症した場合、どう対処すればよいのでしょう。
また、どんな予防法があるのでしょうか。
【ぎっくり腰への対処法】
ぎっくり腰になってしまった場合、すみやかに次のような処置を取りましょう。
◆アイシング
ぎっくり腰を起こした場所には炎症がみられます。
炎症が広がると痛みが増すので、一時的にアイシングをして炎症の拡大を防ぐことが重要です。
◆適切な負荷をかける
かつて、ぎっくり腰を起こすと安静にすることが一番とされていましたが、ぎっくり腰に関する研究が進み、安静が必ずしも回復を早めないことが分かってきました。
もちろん痛みを誘発するような運動やストレッチは厳禁ですが、問題のない範囲で動かすよう心がけましょう。
【ぎっくり腰の予防法】
ぎっくり腰を予防するためには、普段から筋肉を柔軟に保っておくことが一番です。
運動する時間が無いという方は、日常の生活を送る上でちょっとした工夫をすると良いでしょう。
◆お風呂で腰を温める
筋肉を柔軟に保つもっとも簡単な方法が、お風呂に浸かって腰をゆっくりと温めることです。
平日は忙しいという方は、せめて週末にはゆっくりお風呂に浸かりましょう。
◆ストレッチを行う
本来ストレッチとは予防目的で行うものです。痛みの症状が出る前に、症状が悪化する前に行う習慣をつけることをおすすめします。
寝る前の数分間で構いませんので、下半身を中心としたストレッチを行い、腰痛やぎっくり腰を予防しましょう