四十肩・五十肩とは?
肩こりと四十肩・五十肩の痛みは全く別物です。
肩こりは重苦しい鈍痛ですが、四十肩・五十肩は刺すような鋭い痛みが肩にあるの特徴です。ちなみに、四十肩・五十肩は通称であり、医学的な正式名称ではありません。
四十肩・五十肩の正式名称は「肩関節周囲炎」。
その名の通り、肩の関節や筋肉、靭帯が炎症を起こして症状が発生し、40代〜50代で発症することが多いことから四十肩・五十肩と言われていますが、20代でも30代でも発症します。
四十肩・五十肩は肩や腕に激痛が走り、「腕があげられない」状態になり、「髪が洗えなくなったり」「洗濯物が干せない」など日常生活に深刻な影響を与えます。
四十肩・五十肩の4つのステージ
四十肩・五十肩は発症から回復までの進行を4つのステージに分ける事ができます。
ステージ1〜違和感と少しの痛みを感じる時期〜(数週間〜数ヶ月)
肩に違和感を感じはじめる時期です。その違和感が次第に痛みに変わっていきます。この違和感や痛みがじわじわと進んでいきます。
痛みは小さく、違和感も少ないのでそのまま放置しがちです。
しかし、この段階で治療を行わないと痛みが進行して治療に時間がかかってしまいます。
ステージ2〜違和感から激痛へ〜(1週間〜3週間)
炎症が広がり、違和感が激痛に変わります。
痛みは小さく、違和感も少ないのでそのまま放置しがちです。
何もしていない時でも痛みがあり、肩や腕など患部を動かすと激痛が走る状態です。この状態になると、整骨院での治療が必須の状態になります。
痛みが激しくなっていくと、夜間痛といって眠る時にも痛みが感じられ睡眠障害も引き起こします。仕事や日常生活もままならなくなってしまいます。
より早い段階で、整骨院で適切な治療を受ける必要があります。
ステージ3〜痛みが弱くなりはじめる〜(1ヶ月)
炎症が引き始めて痛みも引いてきます。この時期に無理をして肩や腕を動かしてしまうと再びステージ2に戻り、強い痛みを引き起こしてしまいます。
適切なストレッチや生活習慣の改善方法などを実践するとステージ2に戻りにくくなります。
ステージ4〜痛みが完全に引く〜(1ヶ月)
痛みは引いた状態です。ただし、四十肩・五十肩で痛みがあった部位が炎症で固まってしまい、痛みがないものの違和感が残ることがあります。
早期に治療を行えば、このような違和感も残りません。
仮に違和感が残っても、適切な治療を行えば違和感も解消されます
四十肩・五十肩の原因
四十肩や五十肩は筋肉のコリによる血行不良が原因です。
年齢と共に筋肉は衰えて減少し、柔軟性も失うことで血行不良が引き起こされます。
血行不良が起きると、筋肉の緊張物質や痛みの元になるブラジキニンという物質も代謝されにくくなり、違和感や痛みを感じ始めます。
40代〜50代になると発症しやすいので、通称・四十肩・五十肩と言われていますが、筋肉の衰えが顕著になってくるのが、そのぐらいの年齢と考えると納得がいくと思います。
四十肩・五十肩になる人の特徴
四十肩・五十肩は肩周りの筋肉のコリと血行不良が原因なので、運動習慣がある人、活動量が多い人、筋肉がある人は四十肩・五十肩にはなりません。
スポーツ選手がオーバーユースなどで故障することはあれど、四十肩・五十肩になったという話を聞かないのはそのような理由からです。
また、デスクワークで座りっぱなしの状態は筋肉を硬めるので、血行不良が発生しやすくなります。
四十肩・五十肩になる人の特徴
運動不足
筋肉量の不足
デスクワークで座りっぱなし
四十肩・五十肩の時にやってはいけない事
四十肩・五十肩の時は無理に動かしたり、肩に負担をかけると悪化するので、安静第一です。日常生活での何気ない動作が症状の悪化に結びつくるので、気をつけましょう。
全てのステージで重要なことは横向きで寝ないこと。
肩の血流が圧迫されて悪くなりますし、腸腰筋の緊張にもつながるので血流が悪化して回復が遅れます
もう1つが、痛みを恐がって力みっぱなしになる事。
力んでいると拘縮しやすいので脱力を意識しましょう。
四十肩・五十肩への対処療法の問題点
四十肩・五十肩の治療法の紹介でよく見かけるのが、電気治療、痛み止め、湿布による対処療法で、整形外科などで行われる治療です。
対処療法とは根本解決はせず、症状を一時的に和らげる手法です。つまり、痛みが続く限りは継続的に痛み止めを飲んだり、投薬を受けないといけません。
先にご紹介したように、長ければ数年間も続きますし、薬には副作用もあります。問題を先送りにする対処療法ではなく、根本治療をしたほうが良いといえるでしょう。